小学校でも必修となったプログラミング教育。
「プログラミング的思考を身につけよう」といわれていますが、プログラミング的思考とはいったいどういうものでしょうか?
保護者の中には、英語でコンピュータ言語を打ち込むイメージしている人も多いようですが、実際に小学校で学ぶのは、そういったものではありません。
プログラミング的思考は、これからの問題解決やさまざまなモノづくりにおいて欠かせない能力なのです。
ここでは、プログラミング的思考とはなにか、なぜいま必要なのかを解説します。
Contents
プログラミング的思考とは
プログラミング教育が小学校でも必修化されました。
その目的は「プログラミング的思考を育むこと」とされていますが、プログラミング的思考とはいったいどのようなものなのでしょうか。
ここでは、プログラミング教育の目的と、プログラミング的思考について解説します。
プログラミング教育の目的は【プログラミング的思考】
文部科学省によれば、プログラミング教育の目的は、「プログラミング的思考」を育成することにあります。参照:小学校プログラミング教育の手引(第三版)_文部科学省サイト
プログラミング的思考とは、次のことを指します。
プログラミング的思考=自分の意図した一連の行動をさせるにはどのように記号を組み合わせればいいのか、どのように改善すればいいのかを論理的に考える力
これは、目的やゴールに合わせて、逆算して考え、実行していくことを表しています。
これからの時代、情報技術を駆使して、論理的・創造的に考え、問題解決していく力が求められます。
コンピュータの働きをイメージしながら、どういった指示を与えれば自分の決めた目標を達成できるかを考えることは、将来の社会生活には欠かせません。
つまり、プログラミング的思考は、どんな職業に就いたとしても必要となるスキルなのです。
小学校のプログラミング教育で育む思考力・判断力・表現力
小学校のプログラミング教育を通じて鍛えられるのは、思考力・判断力・表現力です。
たとえば、普通に正三角形を描く場合でも、定規やコンパスを使い、等しい長さ、等しい角度を測りますが、ただ60度を測るだけ、長さを測るだけでは正三角形は描けません。
適切な手順が必要です。
プログラミング教育でも同様で、正三角形の特徴をしっかり理解し、描く手順を細かく分けて、どのような指示を、どういった手順で与えれば、コンピュータが思い通りの図形を描いてくれるのかを考えます。
指示の順番が違えば、当然正しい図形を描くことはできません。
そのときに、どの指示をどのように修正すればいいのかを検討し、実行し、また修正するという作業を繰り返していくところに意味があります。
さまざまなプロセスに対して、なんとなく考えるのではなく、論理的に考え、試行錯誤しながら取り組む。
その中で、思考力や判断力、表現力を鍛えていくのがプログラミング教育です。
プログラミング的思考がなぜ必要なの?
現在、コンピュータの存在は、生活する上でなくてはならないものになりました。
仕事や家庭はもちろん、学校教育にも導入されていますし、家電や自動車にもAIが搭載され、ロボットの実用化も進んでいます。
それらをうまく利用することで、よりよい生活を送ることができ、さまざまな問題や課題の解決に取り組めます。
しかし、コンピュータを適切に使うには、その仕組みを知らなくてはいけません。
コンピュータは人間からのプログラム(命令)に従います。
この命令することが「プログラミング」であり、プログラミングを行うことで、コンピュータをより主体的に活用することができます。
また、プログラミング的思考を鍛えていくことで、子どもは自分の持つユニークな発想を形にする力を身につけていきます。
この繰り返しが、社会により良い価値を生み出す力に変わっていく可能性があるのです。
このような背景をもとに、プログラミング教育が導入されました。
プログラミング的思考を育むNHKの教育番組
NHKでは、プログラミング的思考の面白さを伝える教育番組「テキシコー」を放送していました。(現在は、配信で見ることができます)
テキシコーでは、プログラミング的思考に必要な概念を、アニメーションを使って分かりやすく解説します。
また、身の回りの仕事や物事の中で、どのようにプログラミング的思考を使っているのかがわかるコーナーやさまざまな実験もあり、楽しく、簡単に、プログラミング的思考を学習できます。
ただし、テキシコーでは、実際にコンピュータに向かってプログラミングをするような場面はありません。
プログラミングってなんとなく難しそうだな、という人でも、楽しくプログラミング的思考に触れることのできる番組です。
プログラミング的思考を育む実施例
では、子どもたちはどのような方法でプログラミング的思考を鍛えていくのでしょうか。
実際に小学校で行われた授業【よりスムーズで効率的な、未来の宅急便】を紹介します。
まずは、子どもたちがアンケート調査を行って、現在の宅配業界のいいところや問題点などを調査。
その上で、どのような宅配であれば、人手不足や労働負担などの問題を解決できるか、理想の宅急便とはどんなものかを時間をかけて話し合います。
その後、実際に道路や家の模型を作り、さらに自動車タイプのロボットにプログラミングを行って、スタート視点から目的の家まで、指示した通りにロボットを移動。
実際にコースを走らせることで、どのようなコースが効率的か、負担が少ないかなどを体験することができます。
うまくいかなければ修正を繰り返し、何度も失敗しながらも、思い通りに達成できたときの喜びなどを経験。
同時に、宅配という仕事の疑似体験を通じて、実際に働く人たちの工夫や思いを学ぶこともできます。
これまでは、空想やイメージの中だけで完結する授業になりがちでしたが、実際にロボットなどを使うことによって、より具体的にどうすればいいのかを考えられるようになります。
「失敗することも多いけれど、やり直すことで成功させられる」というプロセスを体験できるところが、プログラミング教育の魅力ではないでしょうか。
テクノロジーを使いこなすためには計算論的思考も重要
論理的に正しく考え、チャレンジし、試行錯誤しながら成功させていくためには、いかにプログラミング的思考が大切かを説明しました。
ただ、急速なIT化が進む中、将来的にどんな仕事に就くにしても、「コンピュータなどのテクノロジーを有効活用して仕事をする能力」が、ますます必要になってきます。
そのためにはプログラミングに加え、より広範なテクノロジースキルも必要です。
それを計算論的思考(コンピューテショナル・シンキング)といいます。
計算論的思考は、問題解決のプロセスを分解したもので、科学分野だけでなく、あらゆる問題の解決に使える手法です。
計算論的思考には、次の4つの要素があります。
- 要素分解:複雑な問題を解決可能なレベルまで分解すること
- パターン認識:規則性を見つけること
- 抽象化:重要な要素だけを抜き出すこと
- アルゴリズム:問題解決の手順を明らかにすること
プログラミング的思考は、計算論的思考の一部で、アルゴリズムにあたります。
ただ、テクノロジーに強くなるには、アルゴリズム以外の3つの要素も重要です。
世界各国のプログラミング教育は、「コンピュータサイエンス」あるいは「計算論的思考(コンピュテーショナル・シンキング)」の1要素として行われている国が多いです。
日本のように、プログラミングだけ切り出されている国のほうが少ないのです。
プログラミング教室でプログラミング的思考・計算論的思考を学ぼう
キッズプログラミング教室【アルスクール】では、プログラミング的思考に加え、計算論的思考も学ぶことができます。
子ども達は、講師のアドバイスを受け、周りの子達と刺激し合いながら、自分の好きなモノを作っています。
例:シューティングゲーム、プラットフォーマーゲーム、電子工作、3Dプリンターを使った創作
そして、プログラミングスキルや非認知能力を伸ばしています。
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