AI教育

AI時代の創作|「小説家になろう」のAI利用状況必須化から考える子どもの学び

Web小説投稿サイト「小説家になろう」で、作品創作におけるAI利用状況の設定が必須化されました。

この記事では、AI利用状況の4区分とその背景を整理しながら、子どもがAI時代の創作で身につけたい「使い方を説明する力」について考えます。

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小説家になろうのAI利用状況必須化とは?

Web小説投稿サイト「小説家になろう」を運営するヒナプロジェクトは、作品創作におけるAI利用状況の設定を必須化しました。

公式ブログでは、2026年6月9日から投稿作品の編集画面に「AI利用状況」を設定する項目を新設すると説明されています。

AI利用状況を設定しない新規作品は、投稿できない仕様になります。

また、2026年6月9日以前に投稿されていた作品についても、2026年9月1日以降はAI利用状況を設定しないと、エピソード投稿や作品情報の編集ができなくなります。

参照:小説家になろうグループ公式ブログ「アニメ化200作品突破と今後の新たな取り組みについて」

参照:小説家になろう「AI利用状況に関して」

AI利用状況の4区分|直接使用・間接利用・補助的利用・不使用

AI利用状況は、主に4つの区分に分かれています。

1つ目は「AI直接使用」です。

これは、作品本文にAIが生成したテキストをそのまま直接的に使用している箇所がある場合に設定します。

設定すると、作品情報ページに表示され、キーワード欄にも「AI直接使用」が反映されます。

2つ目は「AI間接利用」です。

AIが出した文章や案を、下書きや素材として使い、作者自身が表現に置き換えた場合に設定します。

たとえば、AIのプロット案を参考にしながら自分で執筆した場合や、AIの文章をすべて自分で編集・改稿した場合などです。

3つ目は「AI補助的利用」です。

アイデア出し、資料調査、誤字脱字チェックなど、本文の執筆そのものには関わらない補助的な使い方が該当します。

4つ目は「AI不使用」です。

構想、プロット、執筆、校正のすべてでAIを使っていない場合に設定します。

補助的利用と不使用は第三者には公開されませんが、コンテスト参加時や商業化の問い合わせがあった場合などに、関係企業へ伝達されることがあります。

なぜAI利用状況を示す必要があるのか

今回の必須化は、AIを使うこと自体を禁止するものではありません。

むしろ、AIを使うことが創作の現場で当たり前になりつつあるからこそ、「どう使ったのか」を明確にしようという動きです。

公式ブログでは、AI利用を開示していないことが、作者や読者、出版社などの関係者の間で誤解や認識のずれを生み、作品への不信につながるリスクがあると説明されています。

特に商業化の場面では、AI利用状況が認知されないまま進むことで、作者や企業がトラブルに巻き込まれる可能性があります。

ガイドラインでも、虚偽の設定や全編AI生成作品の投稿、本文欄へのプロンプト記載などは禁止事項として示されています。

ここで大切なのは、「AIを使ったか、使っていないか」の二択ではなく、どの工程で、どの程度使ったのかを分けて考えることです。

子どもの創作でも「AIをどう使ったか」が問われる

この話は、Web小説だけの話ではありません。

学校のレポート、自由研究、動画制作、ゲームづくり、プレゼン資料、アプリ開発など、子どもたちの創作にも同じ問いが入ってきます。

「AIを使った作品は、自分の作品と言えるのか」という不安を持つ保護者の方もいるかもしれません。

ただ、同じ「AIを使った」でも、中身は大きく違います。

  • アイデア出しだけAIに相談したのか。
  • 誤字脱字を見てもらったのか。
  • 文章の一部をAIに直してもらったのか。
  • ほとんどAIが出したものを、そのまま使ったのか。

これらは、同じではありません。

創作の中心にいるのが自分なのか、AIなのか。

AIが出したものを、自分がどれくらい選び、直し、組み立てたのか。

そこを自分の言葉で説明できることが、これからの学びではとても大切になっていきます。

AIはズル道具ではなく、使い方を学ぶ道具

保護者の方にとっては、「AIを使うとサボるのでは」「自分で考えなくなるのでは」という不安もあると思います。

その不安は自然です。

実際、AIに丸投げすれば、文章も絵もコードもかなりのところまで作れてしまいます。

だからこそ、子どもには「AIを使ってはいけない」ではなく、「AIをどう使うか」を学ぶ機会が必要です。

家庭でも、次のような会話から始められます。

  • どこにAIを使ったの?
  • そこは自分で考えたかった?
  • AIの案より、自分の案のほうが面白いところはどこ?
  • 最後に決めたのは誰?
  • 次に作るなら、AIに任せず自分でこだわりたいところはどこ?

こうした会話ができると、AIはズル道具ではなく、創作を広げる道具になっていきます。

アルスクールでも、AIを使うときには「AIに任せるところ」と「自分でこだわるところ」を分けて考えることを大切にしています。

作品づくりで一番おもしろいのは、自分の中のこだわりが形になる瞬間です。

そこまでAIに渡してしまうと、少しもったいないのです。

AI時代に必要なのは「使いこなし、説明できる力」

今回のニュースから見えてくるのは、AI時代の創作では「作れること」だけでなく、「どう作ったかを説明できること」も大事になるということです。

AIに全部任せるのではなく、自分の目的に合わせて道具として使う。

AIの提案をそのまま受け取るのではなく、自分の考えで選び、直し、組み立てる。

その過程を、自分の言葉で説明できる。

これは、プログラミングやAI教育にもつながる力です。

プログラマーにならなくても、どんな仕事についても、AIやプログラミングを道具として使いこなし、自分でアプリやシステムを作って、目の前の課題を解決できる。

そのためには、AIに答えを出してもらうだけではなく、AIと一緒に作りながら、自分の考えを持ち続ける経験が必要です。

お子さんがAIを使ったとき、最初に「ズルしたの?」と聞くのではなく、「どこをAIに手伝ってもらって、どこを自分で決めたの?」と聞いてみる。

そんな問いから、AI時代の創作の学びが始まるのではないでしょうか。

アルスクールでは、小中学生がAIと対話しながら、ゲームやアプリづくりに挑戦します。

本当に身につけたいのは、ただAIに答えを出してもらう力ではなく、自分のアイデアをAIと一緒に形にしていく力。

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