教育

面白い学びっていっても、YouTubeに完敗している

今までの知識偏重の詰め込み教育へ多くの人が疑問を持ち、いろいろな人が様々な学びのコンテンツを作っています。

アルスクールもその1つですし、保護者としても多くの教育者の方々の努力には本当に頭が下がります。ありがとうございます。

ただ一方で、「教育」や「学び」という限定されたカテゴリではすごく強いコンテンツであっても、YouTubeやゲームと比較したときに、子どもがYouTubeやゲームよりも学びを進んでやるというケースは稀なのではないでしょうか。

一時的には、そうではないケースもあると思います。学園祭の準備など。僕の子は電車や警察などにむちゃくちゃハマり、黙々と一人で電車の路線図や警察の組織図を書いていたり調べ物をすることも多いです。没頭するパワーはすごい。でもトータルで言えばYouTubeやマイクラの圧勝です。

アルスクールでも、自由時間があります。TVゲーム以外は何してもいい。そうするとやっぱりYouTubeや、Scratchで作られたゲーム(これは許可している)が強い。特に小学校低学年はそうです。小学校高学年や中学生になるとそうでもなく、自主的にプログラミングを学ぶ子も多いのですが。

なぜ学びはYouTubeやマイクラに勝てないのか

YouTubeの強さはなにか。マインクラフトの魅力はなにか。それは、新しいスキルを身につけるフローが、子供だけで完結できるからではないでしょうか。

ヒカキンのYouTubeを見てマインクラフトで真似する。新しいテクニックや想像しなかった建築物が作れちゃう。大人の手助けがなくても

子どもは、何か作ったり、新しいことができるようになるのが大好きです。何かつくると「見てみて!」と言ってきます。成長したい欲求はものすごく強い。

でも、プログラミングでいえば、それは子ども一人では達成しにくい。小学校高学年だと自分で調べて試行錯誤する力が身についている子も多い。でも小学校低学年はまず難しいです。今の一般的な環境では、大人に聞かないと、新しいことを学べないんです。

YouTubeに勝てるケースがあった

実はプログラミングなどが強敵YouTubeに勝てるケースがあります。それは、少し上のお兄さんが面白いプログラミングを作っているときです。スタッフ(大人)がやっても食いついてきますが、少し上のお兄さんの方が子どもの好奇心は刺激される。

もう1つは、プログラミングではないのですが、理科の遊びでスライムつくったり、レジンやグルーガンを使って工作するときです。これらは大人のナビゲートや安全面での監視が必要ですが、実際の作業は難しくなく、大人にやってもらわないでも自分で目的達成できる

大人の助けを借りずにやりたい

モンテッソーリ教育の名著で、「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(著: 相良 敦子)という本があります。モンテッソーリ教育では、子どもの学びたい気持ちを大切にして、大人は安全な環境を作りつつ自立・自律を促します。例えば包丁であれば、先の丸まっていて、大きさも子どもに合わせたものを使う。幼稚園児でも包丁を使います。

子どもが自分で「やりたい!」と思ったときのパワーはすごいです。でも、それが大人の都合でできないと急にモチベーションにブレーキがかかります

YouTubeは、ともすると悪者扱いされますが、子どもが主体的に情報を集め知識を習得できるから子どもはあれだけ夢中になるのではないでしょうか。子どもの知識欲の表れともいえます。

YouTubeに勝つという壮大な目標

アルスクールでは、いま、自由時間に、YouTubeよりもプログラミング学習を主体的に子どもたちがやりだすような創意工夫にチャレンジしようとしています。YouTubeに勝つというより、気分によってYouTubeとプログラミングと両方やるような、選択肢としてYouTubeと肩を並べたい。

そのためのステップとして、子どもが自分で調べ、自分で試行錯誤できるだけのもの(情報)を揃える。情報があるだけでなく調べやすい仕組みも必要。それに少しずつチャレンジしています。

ものをつくるというのは、アウトプットとしてすごい面白い作業です。もちろん、子どもによって、あるいは発育の時期によって、インプット(知識を集める)が好きな場合とアウトプット(知識を使う)が好きな場合とさまざまです。

でも、アウトプットに興味がある、知識を使いたい子どもに対して、我々大人はそれだけの環境を用意できているのか。アルスクールに限らず、教育者はレッスンだけで閉じて、子どものモチベーションにブレーキをかけていないか。

アルスクールはそれに真摯に向き合うことを決心しました。

ご家庭では無理のない範囲で

教育は、やろうと思えば際限がないです。また自分でなく子どものことなので妥協もしずらい。でも、ご家庭では、ぜひ無理のない範囲でやりましょう。

こういってはなんですが、一番子どもにとっていいのは、両親や周りの笑顔です。教育を頑張りすぎて余裕がなくなって保護者が疲弊したら意味がないので。

なので、アルスクールをいい感じに利用してください!

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ABOUT ME
むらっち
村野智浩。探究型プログラミング教室アルスクール代表。探究学習などを学びながら、500名以上の子どもたちと学ぶ。チームラボでPM、スタートアップの技術顧問などを歴任のITスペシャリスト。東京大学工学部卒業。
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