2020年度に学習指導要領が改定され、アクティブラーニングが小学校の授業にも導入されるようになりました!
アクティブラーニングとは次の3つで表せる新しい学習法です。
- 主体的に学ぶ
- 対話的に学ぶ
- 問題解決能力を育む
アクティブラーニングにより、課題発見能力や、明確な答えがない問題に取り組む力を育めると言われています。
でも、よく分からないですよね。
そこで、今回は、アクティブラーニングについて、次のような内容で詳しく解説していきます。
- いままでの授業と、アクティブラーニングとの比較
- 海外や日本での導入事例
- 知識やさまざまなスキルを主体的に獲得できる
- 協調性や新しい考え方を学ぶことができる
- 明確な目的と、ゴールの共有をしっかり行うことで、効果がより高まる
Contents
アクティブラーニングとは
アクティブラーニングとは、次の3つで表せる学習方法で、学校の教育にも積極的に取り入れられています。
- 主体的に学ぶ
- 対話的に学ぶ
- 問題解決能力を育む
また、文部科学省公式サイトでは、次のようにも表現されています。
アクティブ・ラーニングとは、学生にある物事を行わせ、行っている物事について考えさせること。
参照:アクティブ・ラーニングに関する議論 – 文部科学省
文部科学省によると、
「生涯にわたって学び続ける力や主体的に考える力は、受動的では身につかない。好奇心を刺激しつつ、教員と生徒が互いに切磋琢磨しながら、知的に成長する場を提供すべき」
とされており、これからの社会を生きていくために必要な能力を鍛えるためにとても有効なのです。
これまでの、一方的に講義を聞くメインの授業とは、対照的な学び方です。
以前は、仕事でも、指示されたことを的確に、効率よく行うことを重視される時代でした。
しかし、現在では、人工知能(AI)やロボットなどテクノロジーの発達にともない、新しいもの、個々のニーズに対応したものを考え・創造する能力が求められています。
これまでになかったものを生み出すためには、思考力や表現力、判断力など、さまざまな能力が必要なのです。
教育も時代の変化を受けて、それらを鍛えるためにアクティブラーニングを取り入れることになりました。
アクティブラーニングで小学校はどう変わる?
これまでは、教員が子ども達に対して一斉に授業を行う講義形式が中心でした。
子ども達は、「教えられた内容を覚え、テストで結果を出し、それによって成績が決まる」というのが一連の流れです。
これは、教員からの一方通行的なもので、子ども側からすると、どうしても受け身になってしまいます。
一方で、アクティブラーニングは、主体的に学ぶことを目的としています。
学ぶことに興味を持ち、いまの学びが自分の人生とどのように関わってくるのかを常に意識します。
アクティブラーニングの例としては、次のようなものがあります。
- グループワーク
- ディベート
- 理科実験
アクティブラーニングでは、グループワークや理科実験などの体験を通して、自分の意見を発表し、仲間の意見を聞き、意見をまとめたりします。
この学び方をすることで、自分の視野や考え方の幅を広げることができます。
さらに、さまざまなテーマについて話し合うことが多いので、テーマに関して広く、深く学ぶこともできます。
これからは、大量で画一的なものの消費から、細かいニーズが要求される社会に変わっていきます。
また、AIやロボットなどが人間にとって代わる場面も増えてきます。
このような時代の変化に対応するために、必要な幅広い思考力や判断力は欠かせないでしょう。
アクティブラーニングのメリット・デメリット
アクティブラーニングには、さまざまなメリットがあります。
- 子どもが主体的に授業を進めるので、考える力が養われる
- まわりの仲間と、役割や方向性について意見を出しあうので、協調性が身につく
- 自分とは異なる意見に触れるため、多角的な視点が学べ、そこから新しい課題の解決に向きあえる
目的を持ち、それをどのように達成するかをさまざまな角度からアプローチできるのがアクティブラーニングの最大のメリットでしょう。
一方で、なにを目的は何かを事前に意識できていないと、アクティブラーニングの効果はありません。
グループディスカッションも、準備なくいきなり始めても、戸惑ってしまい成立しません。
そのため、目的を最初の段階でしっかりと確認し、教師と子ども達の間で共有しておくことが重要です。
また、扱うテーマについて、なにも知らないまま始めても、学びは進みません。
学びには、自分で獲得する部分もあれば、教員から一斉に授業することで教えるものも重要です。
それらが基礎となり、アクティブラーニングの効果もアップします。
そのため、日頃の学習と、アクティブラーニングによる学びのバランスがとても大切です。
世界のアクティブラーニングの事例
世界では、アクティブラーニングは以前から取り入れられています。
例①:アメリカ
アメリカでは、学期末のプレゼンテーション授業が行われます。
1グループ4~5名で、それまでに習ってきたことを復習しながらまとめ、グループごとに発表します。
復習内容について、友達と話し合うことで、まとめ方の違いなどを共有することができます。
これにより、インプットとアウトプットも行われるため、学習内容の定着にもつながるのです。
例②:フィンランド
フィンランドでは、1993年からアクティブラーニングを導入しています。
フィンランドは、国際的な指標である「生徒の学習到達度テスト(PISA)」で高い順位にあり、教育大国として評価が高いです。
人生観を考えるような授業や、環境に配慮した素材で立体的な迷路を作るプロジェクトなど、ひとつのテーマからさまざまなことが学習できるように組み立てられた授業があります。
日本のアクティブラーニングの事例
日本でも、すでにアクティブラーニングは導入されています。
例①:理科実験
理科実験は、「仮設を立てる⇒実験する⇒考察する」という一連の流れで進むので、アクティブラーニングにはぴったりです。
学校では、まずは、個人で予想を立て、グループごとに意見をまとめて、発表しあうような形を取っているところも多いです。
例②:市役所に地域の自然環境保護について提言する
集めた資料を自分たちで分析し、開発と保護の両立をどのようにすればいいかをまとめて、実際に役所の担当の人に読んでもらうという授業も行われています。
こういった体験をすることで、実験の結果はこうだった、自然は守るべき、というだけでない視点に気づくことができます。
自分の立てた予想となぜ違ったのか、開発しながら自然を守るにはどうすればいいのか、といった深い視点で物事を見つめ、意見交換しながら問題解決していく能力が養われるのです。
アクティブラーニングを取り入れたキッズプログラミング
探究型キッズプログラミング教室アルスクールでは、アクティブラーニングをふんだんに取り入れた方法で、レッスンを行っています。
レッスンは、次のようなサイクルで行っています。
- どんな作品を作りたいか自分で考える(相談しながらでもOK)
- 試行錯誤しながらプログラミングで作る
- みんなの前でプレゼンする
- 講師や他の子からフィードバックをもらう
- 講師や他の子の作品で遊んで参考にする
- 新しい作品に挑戦する
このサイクルは、まさにアクティブラーニングの学び方です。
このサイクルを繰り返すことにより、アルスクールに通う子たちは、プログラミングスキルだけでなく、思考力・創造力といった非認知能力も伸ばしています。
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