教育

創造性を伸ばすにはどうしたらいいか真剣に考えた

子どもの創造性を伸ばしたい、創造的な人になってほしい。そう願う人は多いのではないでしょうか。

習い事で、創造性を伸ばすと宣伝しているところも多いでよね。本当に伸びるのでしょうか?どうやったら創造性が伸びるのか、真剣に考えてみたいと思います。

 

創造性とは?

創造性がどうやったら伸びるのかを考える第一歩として、創造性とはなんなのか考えてみましょう。例えば創造的な人というと、誰を思い浮かべますか?スティーブ・ジョブズ?ジョージ・ルーカス?ピカソ?アインシュタイン?

創造性というと、誰も思いつかないようなアイデアを思いつくというイメージがあるかも知れません。

では「創造的になってほしい」というのは「アイデアを思いつく人になって欲しい」ということでしょうか。もちろんアイデアを思いつくのは素晴らしいことですが、少し違う気がします。

 

アイデアよりも大切なこと

創造の漢字、創も造も、つくるという字ですよね。英語のCreativityもCreate(=作る)です。
そうです。思いつくだけでは不十分で、つくることが大切なんです。

ビジネス(スタートアップ)では、アイデアそれ自体はそれほど重要ではないと言われています。同じアイデアを思いついている人が世界中に何人もいる、といわれます。

ではなにが大切か。まず始める(とにかくサービスをやってみる)こと。そしてやり抜くこと。これが大切です。

考えてみてください。例えばAppleの各サービスや製品は、全く新しいアイデアから生まれたのでしょうか?

僕はMacBookAirで、その薄さに衝撃を受けました。でも「PCが薄くなればいい」なんてみんな思ってますよね。みんな思ってるけどやらなかったことを、普通の会社なら無理と諦めるレベルまで追求し、感動的なほどの薄さを成し遂げた。

iPhoneだって「ケータイでいろいろできればいい」なんてみんな思っていた。

創造的と感じる製品やサービスで驚かされるのは、アイデアそのものではなく「そこまでやるのか」「無理だと思っていた」というようなことを成し遂げたことに対してではないでしょうか。

Uberは車の相乗り。Amazonは本をネットで売っただけ。LINEはチャット。Instagramは画像をシェアするSNS。言葉にすると創造的には感じないけど、これらのサービスを作った人は(好き嫌いや問題はいろいろあるけど)すごいですよね。

科学などの学問だって、先人たちが築いてきた先に(時には築いたものを壊すけど)新たな発見があるのでしょう。ゼロからじゃない。

 

創造性とは、価値をつくりだすこと

新たにつくり出すものは、アイデアではなく価値なのです。

「アイデアを思いつく人」と「新たな価値をつくりだす人」だと、子どもにどちらになってほしいか。僕は後者です。

価値をつくりだすには、むしろアイデアは何でもよく、自分の願望で充分。パソコンが薄いほうが嬉しい、携帯でどこでも音楽が聞きたい。

その想いを実現するために、まず作り始め、強い意志をもって改善し、諦めずやりぬける力こそが大切です。その全体のスキルこそが創造性であり、その結果起きるのがイノベーションです。

余談ですが、創造性は英語でCreativityと訳されることが多いですが、少なくとも教育においては、Creative Innovation Skill として捉える方がいいでしょう。

 

 

新たな価値をつくり出せる人になるために

では、創造性 = 新たな価値をつくり出すために必要なスキル、資質とは何なのでしょう。僕は下記だと考えます。

価値創造のための6つの資質

  1. まずやってみるチャレンジスピリット
  2. 既成概念に囚われない心
  3. 自分ならできるという自信
  4. やりぬく力
  5. 様々な知識や経験
  6. 強いビジョン

こうやってみると、創造性とは、1つのスキルではなく、総合的な資質だということがわかります。これらをどうやって育めばいいかを考えれば、創造性が伸ばせそうです。

子どもが本来持っている資質

最初の2つ、「まずやってみるチャレンジスピリット」「既成概念に囚われない心」は、子どもが生まれながらに持っている資質です。子どもは気になったらやってみて、大人の想定の斜め上を行く行動で、何度も驚かされます。

ですので、これは、育むのではなく、大人が壊さないようにすればいい。

でも実際の教育現場はどうでしょう。減点主義で失敗を怖れるようになり、余計なことするな、静かにしていろと抑圧される。TEDでも、ケン・ロビンソン卿の「学校教育は創造性を殺してしまっている」という有名なスピーチがありました。

 

育むなんて偉そうなこといわないで、資質を壊さないように子どもを信じて見守ることが大切だと考えます。

 

じわじわ伸びる資質

残り4つは、後天的な要素が強いでしょう。

  • 自分ならできるという自信
  • やりぬく力
  • いろんな知識や経験
  • 強いビジョン

これらは一朝一夕に何かを学べば身につくものではない。子どもが主体的に学べる環境で、自己肯定感を育みながら、じわじわと伸びていくものです。

では何を学べば伸びるのか。なんでもいいんです。大切なのは「何を(WHAT)」ではなく「どう(HOW)」学ぶか

プログラミングでもいいし、スポーツ、料理、音楽、なんでもいいのでしょう。

 

プログラミングと創造性

アルスクールはプログラミング教室です。ここまで読んでいただいた方には、「プログラミングを学べば創造性がつく」なんてことはない、と思ったのではないでしょうか。

はい、そうです。社会のプログラマーが創造的かといえば、まったくそんなことはない、という事実がそれを証明しています。(もちろん創造的なプログラマーもいます)

これからの社会、〇〇xテクノロジーの新サービスが増えるので、テクノロジースキルを身につける優位性はあります。

ただ、例えばドリルのようにプログラミングを学んでいては、その成果以上に、他の資質への悪影響が大きく、むしろマイナスになる懸念があります。

アルスクールは、プログラミング教室だから創造性が伸びるというつもりはありません。

テクノロジースキルを学ぶのは当然ですが、その方法として上記のような「価値創造のための資質」を伸ばす、あるいは大人が潰さない学び方をしています。(それを「探究」と呼んでいます)

極論をいえば、仮にアルスクールでプログラミング以外のことを学んでも、創造性を伸ばせる自信はあります。

 

結論

創造性とは、「アイデアを思いつく」のではなく「新たな価値をつくりだす」ための資質です。

創造性という言葉の曖昧なイメージに囚われず、子どもにどうなってほしいか、具体的に考えてみましょう。

上にあげたような資質は、ご家庭でも充分育めます。むしろご家庭での過ごし方、子どもとの関わり方が一番大切です。

目新しい、創造的なおもちゃが必要ということはまったくありません。むしろ何もないところ、子どもが自由に世界を創れる環境の方がいいかも知れません。

公園に落ちている木の棒なら、剣にもなるし魔法の杖にもなる。穴も掘れるし高いところのものも叩ける。でも、おもちゃ屋さんで売ってる剣は、剣にしかなれない。

創造性とは総合的な力であり、じわじわとしか育めません。子どもを信じ、あたたかく見守りながら、たまには子どものイタズラにも目をつぶってあげましょう。

(でも我慢しすぎて大人が疲れたら元も子もないので、無理のない範囲で)

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むらっち
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村野智浩。探究型プログラミング教室アルスクール代表。探究学習などを学びながら、150名以上の子どもたちと学ぶ。チームラボでPM、スタートアップの技術顧問などを歴任のITスペシャリスト。東京大学工学部卒業。
探究型プログラミング教室
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アルスクールは、自由が丘、中野にある小学生、幼児(年中、年長)向けのプログラミング教室。プログラミングを使った創作活動を通じて、子どもたちの学びたい意欲を引き出す学び場です。子どもが夢中になる学びをぜひ一度体験してください。

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