いま、STEAM教育が世界中で取り入れられています。
もちろん日本でも、プログラミング学習の必修化など国を挙げてSTEAM教育を推進しています。
STEAM教育で鍛えられるのは、子どもたちが備えておくべきスキルであり、このスキルこそが、未来の社会をよりよくしていくのです。
しかし、STEAM教育とはどういったものなのか、なぜそれほど注目を浴びているのかを知らない人も多いようです。
この記事では、STEAM教育とはなにか、STEAM教育がなぜこれからの学習に欠かせないのかを国内外の事例を交えて解説します。
Contents
STEAM教育とは
STEAM教育とは、これまで言われてきたScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(ものづくり)、Mathematics(数学)の4つをあわせたSTEM教育に、Art(芸術)を加えてできた造語で、この5つの分野を重点的に行う教育方針のことを表しています。
これまでSTEM教育は、技術的な面やモノづくりを行うときに重要な観点であり、これからのIT社会とグローバル社会に適応するために強化すべき教育方針とされてきました。
そしていま、自分が生み出したものを人に伝える、表現するときに必要なArtの要素を合わせたSTEAM教育の重要性に、世界中の国々が注目しています。
もうすぐそこまできているAI時代には、想像力や表現力など芸術的な感性は欠かせません。
そのため、これまでの数学的・科学的視点だけではなく、Art的な視点を組み込んでいこうとする動きが活発化しているのです。
STEAM教育が注目される背景
STEAMという言葉は、アメリカ元大統領のバラク・オバマ氏の演説で使われたことから、一気に注目されるようになりました。
アメリカでも、将来的に国際的な競争力が低下していくことへの懸念や、高いレベルの技術者の不足、STEM教育に専門的にかかわる教師が少ないことへの危機感があります。
数学的・科学的な強化に加え、Art分野でも高いレベルを持つ人材育成を急務と考え、これを国家戦略のひとつとしました。
いま、世界中で優秀な人材不足への強い懸念があります。
そのため、ヨーロッパやアジア諸国でもSTEAM教育を推進しているのです。
もちろん、日本も例外ではありません。
プログラミング学習の必修化や、STEAM教育を活用したワークショップの授業が増えているのも、これからの日本を支える人材の輩出が必要不可欠になっているからです。
労働人口の49%がAIやロボットに代替可能に
将来、日本の労働人口のうち49%が、技術的にはAIやロボットで代替される可能性が高い、という試算が出ています。
たとえば事務員やさまざまな仕事の窓口受付、作業員、機械の組立員、重工業のオペレーター、郵便や宅急便の配達員なども代替可能とされています。
単純なデータ入力や、決まった工程の作業など、特別な知識やスキルが必要でない労働は、AIやロボットにプログラムすることで、十分対応できるというわけです。
創造性や協調性が必要な業務は将来も人が担う
一方で、ディレクターやアーティスト、ライター、音楽家、教師や医師などは代替可能性が低くなっています。
流れ作業や一律の作業ではなく、自ら考え、オリジナルのアイディアを生み出し、人と世界に伝えていくことはまだまだAIでは不可能です。
また、歴史や宗教などの抽象的な概念を理解できる人材や、他者との共感や強調、サービス志向性など、幅広い分野で新しい価値を提供し、それを伝えられる人材が求められています。
言い換えれば、自分で何かを作り出し、表現するスキルを身につけておかないと、将来を生き抜くことが難しいのです。
STEAM教育・日本の事例
いま、STEAM教育は、日本でも取り入れられています。
中学校では、AI型のドリル教材を利用して、数学の学習を効率的に行い、そこで得た知識や理論を使ってドローンやロボットにプログラミングするワークショップを実施しました。
数学という知識がなぜ必要なのか、どのように利用するのかをリアルに体験することができ、ワークショップ後のアンケートでは、実生活や将来的な問題解決に数学を活かすことができると答えた生徒が80%近くになりました。
また、別の学校では、渋滞と生活衛生について、路線バスの渋滞をどのようにすれば緩和させられるか、エレベーターの効率的な動かし方を検討するプロジェクト授業が行われました。
数学に商業的な面も取り入れながらシミュレーションしていき、同時に、この授業におけるロゴデザインも生徒たちは考えました。
問題解決やサービスに込めた思いを、どのようなデザインにすれば伝わるかを話し合い、形にしていく作業には、教科を超えた学びがあります。
実際に、問題解決の視点が身につき、普段からなぜそうなるのかを考えるきっかけになったと答えた生徒が大勢いました。
このように、STEAM教育はさまざまなテーマと絡めて学習することができます。
STEAM教育・海外の事例
海外でも、すでにSTEAM教育を取り入れた授業を行っている国が多くあります。
イギリスやヨーロッパ、カナダでは「教科横断型テーマ」を掲げ、教科を超えて調べ学習やグループワーク、個人の学習課題の管理などを行っています。
アメリカでも、主体的・協同的な探求学習の時間を設けており、グループごとに調べ、発表する時間も確保されています。
さらにアメリカには、「High Tech High」というSTEAM教育を実践する学校もあります。
教科書はなく、プログラミングなどを通して、「スキルライフ(非認知能力)」を育むことに特化した授業を行っています。
ライフスキルとは、偏差値や学力的な評価ではなく、創造性や発想力など点数化の難しい能力のことを指します。
このように、海外では自主性や協調性を養いながら、自分から学び、獲得し、表現・発表していく授業が日常的に行われているのです。
文部科学省のSTEAM教育の方針
文部科学省は、これまでの教科型の教育をバランスよく学ぶことを基本としつつ、同時にSTEAM教育の推進を行っています。
各教科で学んだことを総合的につなぎ合わせて、実際の生活とかかわりを考える。
そして、新しい角度から社会を見る方法を獲得し、自分の在り方を考えたり、社会問題解決に生かしていく能力が、これからは必要です。
そのためには、個々の教科の学びではなく、教横断的な教育が欠かせません。
これからの時代、幅広い分野で新しい価値を提供できる人材が世界を変えていきます。
そういった人材の輩出に、STEAM教育は大きな影響を与えていくでしょう。
参照:文部科学省 新学習指導要領の趣旨の実現とSTEAM教育について
https://www.mext.go.jp/content/1421972_2.pdf
STEAM教育とプログラミング教育
STEAM教育の一環として、2020年度からプログラミング学習が必修となりました。
プログラミング学習は、パソコンの前に向かって、黙々とプログラム言語を打ち込むことではありません。
算数や理科、国語、社会、音楽、芸術といったさまざまな授業の中に組み込まれ、「目の前にあるこの問題をよくしていくために、これまでの勉強がどのように役立てられるか」を考えることこそが、プログラミング学習です。
そしてこれは、STEAM教育の考え方と、まさに一致していますね。
アルスクール探究型キッズプログラミング教室では、このように問題解決能力を育成するコースを用意しています。
子どもたちは「どうすれば、指示通りにロボットを動かせるのか」「思い通りに動かないのは、なぜなのか」といった問題にぶつかりながら、試行錯誤を重ねています。
もちろん、すぐに解決することばかりではありません。
しかし、懸命に課題と取り組み、時にはまわりの子どもたちとアイディアを共有しながら前進し、できる喜びを体験しています。
プログラミング教室は、子どもの自ら取り組む能力を鍛え、仲間の新しい視点に触れあえる場所なのです。
レッスンの体験も行っています。
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