Scratch(スクラッチ)は、小学校やプログラミング教室で、プログラミング教材として最も使われています。
プログラミングが小学校・中学校・高校で必修化され、2025年度からは大学共通テストでも情報Iでプログラミングが出題されることが決定。
その影響で、プログラミング教室は、2013年からの5年間で約6倍に増加し、2023年までの10年間で約15倍に増加するだろうと言われています。
このように、スクラッチを学べるプログラミング教室は増えていく一方。
でも、教室によってどう違うのかは、よく分からないですよね。
そこで、今回は、スクラッチが教材として優れている理由と、小学生むけプログラミング教室によるちがいについて、詳しく解説していきます。
Contents
Scratch(スクラッチ)がプログラミング教室で使われる理由
スクラッチは150以上の国と地域で使われている
スクラッチはMIT(マサチューセッツ工科大学)が開発したビジュアルプログラミング教材で、世界150以上の国と地域で使われています。
スクラッチでは、【10歩進む】【「こんにちは!」と言う】という名前のブロックを並べるだけで、キャラクターを動かしたり、しゃべらせたりできます。
そのため、小学校低学年からでも楽しく学ぶことができるのです。
創造性が育つ教材
スクラッチを開発したMITのミッチェル・レズニック教授は、【Creative Learning】(創造的な学び)という教育理念を提唱。
スクラッチは、この【創造的な学び】が、継続的にできるように設計されています。
教授の論文では、創造的な学びをするために必要なスパイラル①~⑤が紹介されています。
参照:media.mit.edu
- 何を作るかを想像する(Imagine)
- 想像したものをつくる(Create)
- 自分で遊ぶ(Play)
- 友人や家族に共有したくなる(Share)
- 様々なフィードバックを得ることができる(Reflect)
①~⑤を繰り返す、このようなスパイラルを【Creative Learning Spiral(創造的な学びのスパイラル)】と言います。
スクラッチでは、オンラインコミュニティ機能で他の人の作品、中のコードまですべて見ることができ、他の人にコメントしたり、他の人の作品をアレンジすることが可能。
他の人と刺激し合いながら作品づくりを繰り返すことで、成長できるように設計されているのです。
ただ、スクラッチのオンラインコミュニティ機能には、次のような気になる点も。
- 全世界公開なので、安全性が気になる
- 大人の公開作品も多いので、同じレベルの子たちと刺激し合う環境になりにくい
そのため、次の章からは、「小学生がスクラッチで学んで成長できる」のは、どんな教室なのかについて紹介していきます。
Scratch(スクラッチ)を学べるプログラミング教室のちがい
子供向けプログラミング教室で、スクラッチを学べるところはとても多いです。
スクラッチには、次のような子供向け教材として優れた点が多数あるからです。
- 無料
- 創造性がのびる
- 簡単な作品~本格的な作品までつくれる
- スクラッチの教材がたくさんある(本や動画など)
ただ、説明書にそってつくるだけの教室、創造性や思考力まで伸ばす工夫をしている教室など、様々な種類があります。
レッスンの進め方として、教室ごとにちがうのは、大きく分けて次の2通りです。
- 説明書にそって、プログラミング作品をつくる
- 子どもの興味にそって、自分で考えたプログラミング作品をつくる
説明書にそって学ぶ教室が多い
①の方が、教えるのが簡単なので、教室の数が多いです。
ただ、①だと子供がただ丸写ししているだけの場合もあるので注意が必要!
はじめは、使い方を覚えるために丸写しでもいい場合もあります。
でも、その後も同じように続けていると、飽きてしまう子も多く、知識が定着しません。
子どもの興味にそって学ぶ教室
一方、②の教室は、一人ひとりの子供で興味が異なるため、講師が対応できる子の人数は限られています。
ただ、子どもたちにとっては、「何を作るか」「どう作るか」を自分の力で考え、完成できるようになった方が圧倒的に力がつきます。
そして、このように学ぶことで、プログラミングスキルだけでなく、思考力や創造性も大きく伸びます。
探究型キッズプログラミング教室【アルスクール】では、②の方法で、スクラッチのレッスンを行っています。
子どもたちは講師と一緒に、「何を作りたいか」「どう作りたいか」を考え創造性を伸ばしています。
そして、作る時には、完成するまでがんばって試行錯誤しています。
次の章からは、アルスクールで実施している「スクラッチを使った学び方」について、校長むらっちがご紹介します。
アルスクールのスクラッチレッスン|個性を伸ばす教育
まずは、アルスクールに通っている子のスクラッチ作品を紹介します。
小学生が自分で考えたスクラッチ作品
①snake game(小4男の子)
矢印キーで操作、果物をたくさん取ろう(自分自身を食べちゃったら終わり)
②いろんな形を作ろう(小4男の子)
③クリスマスカード(小2女の子)
アルスクールのクリスマス会で作ってくれました
みんなでスクラッチを学び刺激し合う
スクラッチを開発したレズニック教授は、著書の中で、11歳の少女について次のように述べています。
スクラッチで作品を作っていたとき、彼女は新しいコンピューター科学の概念やスキルをはっきり学んでいたのです。とはいえ、私は、それがスクラッチ体験の中で最も重要な点だったとは思っていません。私にとって、最も印象的だったのは、創造的思考者としてそだっていった道筋でした。
参照:ライフロング・キンダーガーデン_著ミッチェル・レズニック
著書で紹介された少女は、大好きなアニメーションをスクラッチで作成。その後、他のメンバーと共鳴し合い、アニメーションを作り続けました。
そして、最終的に彼女が作成したプロジェクトは、オンラインコミュニティで12000件を超えるコメントを受け取るまでに!
アルスクールでは、ただスクラッチの機能を教えるだけではく、この元々ある設計思想のように、創造性が育つようなレッスンを行っています。
自分の興味・好奇心に基づいた作品をつくり、レッスンの最後には、みんなの前で作品について振り返ります。
また、3ヶ月の1度のプレゼン発表も行っています。
このようなフィードバックを受けることで、お互い刺激し合いながら作品づくりをしています。
そのため、講師が一方的に教えるだけでなく、子ども達どうしが相談やアドバイスをし合うことも大切にしています。
好きな分野を伸ばせる
アルスクールでは、スクラッチで何を作るのかについて、強制することはありません。
スクラッチを使った自由創作例
- シューティングゲームを作る
- キャラクターのデザインにこだわる
- 音楽にこだわる
プログラミングやテクノロジーから大きくそれていなければ、小学生の間はそれで充分。
それに、無理に興味がないことをやらせるよりは、自分の好きなものをとことん作らせてあげた方が成長できます。
例えば、画像加工やイラストにハマるなら、動きの部分はそんなにやらなくても、イラストレーターやPhotoshopなどを極めてもいい!
小学生で興味持ってそういうソフトを使いだしていたら、コンピューターと友達になれます。
そうすると、中高生や大学生になってプログラミングのテクニックが必要になっても、あっという間に習得できるのです。
それでは、次の章からアルスクールの実際のレッスンについて、詳しく紹介していきます。
アルスクールのスクラッチレッスン
スクラッチを学びやすくした教材【アルスタジオ】でレッスン
アルスクールでは、スクラッチを徹底的に学びやすくしたアルスクールオリジナル教材【アルスタジオ】を開発しました。
基本操作はスクラッチとまったく同じですが、次のような点から子供たちが学びやすい教材になっています。
スクラッチとちがうところ
- 自分で学べる豊富なレッスン動画
- 子どもたちに人気のオリジナル素材
- 他の子の作品で自由に遊べ、発想に活かせる(限定公開)
アルスクールでは、家でもスクラッチを学べる仕組みがいっぱい!
シューティングゲームなど、楽しいゲームを自分で作れるレッスン動画が多数あります。
また、子ども達の作品は、教室内のみで安全に公開。
家でも他の子の作品で遊んだり、中のコードを見たりすることで、次の作品の発想に大いに役立っています。
スクラッチのレッスン例1:ゲームのアレンジ
スクラッチのレッスンは、小1くらいから始めます。
低学年向けのレッスン例を紹介します。
こんな時は、スタッフや他の子たちが作ったスクラッチの作品をいくつか見せて、自分の作ってみたいものをアレンジするというレッスンを行っています。
スクラッチを始めたばかりの子には、次のような流れでレッスンを行うことがあります。
- 作ってみたいスクラッチ作品を選ぶ
- 選んだスクラッチ作品をそのまま作る
- 作った作品を一部アレンジする(背景・キャラクター・音楽を変えるなど)
<スクラッチの作品例>
次のようなスクラッチゲームを最初に子ども達に見せます。
①むらっちのかおを変えろ
「おおきく」「ちいさく」「うずまき」などのボタンを押すと、むらっちの顔が変わるよ
②タコたたきゲーム
時間内に何回タコをたたけるかな?
実際に見せる作品は5個くらいで、まず、子ども達はそれぞれのゲームをスクラッチで動かして遊んでみます。
その上で、「これ作ってみたい!」というのを自分で選びます。
スクラッチのレッスン例2:レジンで作ったものを紹介しよう
女の子が好きなレッスンも紹介します。
女の子は、キラキラしたものやかわいいものが大好き。
そのため、アルスクールでは、レジンを使ってかわいいジュエリー作りをし、それをスクラッチで紹介するというレッスンも行っています。
この時のレッスンは、次のように行います。
- レジンでジュエリー作り
- 作ったものを、タブレットで写真に撮る
- パソコンにデータを送って、スクラッチのページに取り込む
- スクラッチで、ジュエリーを紹介する
①~④まで、小1でもすべて自分で行います。
この前のレッスンでは、タブレットで写真に撮る方法を子どもどうしで教え合いました。(※教える練習になる。子供どうしで教え合う方がお互い伸びることも多い。)
みんな、自分で作ったものを楽しそうに紹介してくれました♬
慣れてきたら自由に作品を創作しよう
アルスクールでは、ブロックの使い方に慣れてきたら、自由に作品を創作しています。
大体通い始めて3ヶ月くらいで学びの姿勢ができあがることが多いのですが、この時期になると、「テーマを決めて作りたくない」という子が増えます。
こんなやり取りもしばしば。
でも、学びの姿勢ができあがる時期になると、何を作るか決めない方が、よりすごい作品ができることが多かったのです。
これは、特に、創作意欲が高い子によくみられる傾向です。
子供たちは、自分の考えを言語化することが苦手。
作る前に言語化してしまうことによって、作品の可能性を狭めてしまっていたのです。
そのため、アルスクールでは、子供たちが自由に作りたい場合は尊重し、創作イメージを劣化させないようにしています。
アルスクールのスクラッチレッスンを無料体験しよう|教室とオンライン
アルスクールでは、教室とオンラインの両方で、スクラッチのレッスンを行っています。
また、スクラッチ以外にもmicro:bit(マイクロビット)やレゴブーストなどの教材を使って、年齢や発達段階に合わせた楽しいレッスンをしています。
アルスクールに、ぜひ一度遊びにきてみてください。
キッズプログラミング教室【アルスクール】では、自由が丘校・中野校・中野TCS校・恵比寿校・大阪南千里校・福岡西新校・オンライン校で、プログラミングレッスンを行っています。
好きなモノを作り、子どもどうしがお互い刺激し合いながら、プログラミングスキルや非認知能力を伸ばしています。
通常レッスンに参加できる無料体験レッスンは、随時開催しています。
現在、通常11,000円(税込)する入会金が0円になる、新学期キャンペーン実施中!
この機会に、一度アルスクールの学びを体験してみませんか。