夏休みの自由研究や図工の工作などで、「テーマは何でもいいよ」「自由に作ってごらん」と言われたとき、子どもが「何を作ったらいい?」と手が止まってしまうことはありませんか?
「自由に作っていい」と言われても、すぐには思いつかない。そんな子どもの姿を見ると、「うちの子にはアイデアがないのかな」と心配になるかもしれません。実際、教室でも保護者の方からよく相談を受けますし、子どもたちから直接「何作ったらいい?」と聞かれることもあります。
でも、最初から完成したアイデアを言葉にするのは、簡単なことではありません。そこで、いきなり自由に考えてもらうのではなく、始めやすい入口を用意します。
作りたいものが浮かばないのは、創造性がないからではありません。好きなものや選びやすい選択肢から始めると、作る途中で「こうしたい」が見つかります。
この記事では、僕たちが教室で実践している2つの方法と、子どものペースを信じて待つことの大切さをお話しします。
動画では、シューティング・キャッチ・逃げるゲームの教材を実際に見せながら、子どもが選びやすくなる工夫を約5分で紹介しています。
Contents
作りたいものは「ない」のではなく、まだ見つかっていない
最初に大切にしたいのは、子どもの中に作りたいものがないと決めつけないことです。
興味がまだ言葉になっていなかったり、思い浮かんだことをゲームや作品でどう表せばよいか分からなかったりすることがあります。これは、作りたい気持ちがないこととは違います。
僕は、どの子の中にも創造性の種があると考えています。必要なのは、すぐに立派な企画を出してもらうことではなく、その子が自分の興味に気づける入口です。
ここでいう入口は、大人が完成形を代わりに決めることではありません。まだ見えていない興味を、会話や選択を通して見つけやすくし、子ども自身が次の一歩を選べる状態を作ることです。
その入口が見つかれば、最初は小さな選択でも、少しずつ自分の作品へ変わっていきます。
子どもの「作りたい」を見つける2つの入り口
教室では、子どもが答えやすく、実際の制作につながりやすい2つの方向から探します。
① 好きなものから探す
一つ目は、普段の生活で好きなものを手がかりにする方法です。
家で何を見ているのか、どんな遊びをしているのか、好きなキャラクターやゲームはあるのか。そんな話を聞きながら、興味のあるものを一緒に探します。
好きなものの名前が出たら、そこで終わらず、「その中で何をしているときが好き?」「何を作っている?」と少しずつ聞いていきます。遊び方まで分かると、作品へつなげる手がかりが具体的になります。
たとえば、マイクラが好きな子がいたとします。何をして遊ぶのが好きかを聞いて、「家を作るのが好き」と分かれば、そこから「Scratchでマイクラの家のようなものが出てくるゲームを作ってみようか」と提案できます。
好きなものは、そのまま完成作品でなくても大丈夫です。ゲーム、キャラクター、遊び方など、小さな興味が制作の入口になります。
② 3つほどの選択肢から選ぶ
二つ目は、教室で用意したカリキュラムから選んでもらう方法です。
動画では、シューティングゲーム、キャッチするゲーム、サメから逃げるゲームを見せて、「この中なら、どれを作ってみたい?」と聞いています。
選択肢は、子どもが違いを想像できるくらい具体的で、比べやすい数に絞ります。動画の3つは、当てる、受け止める、逃げると遊び方が違うため、気になるものを選びやすくなっています。
「何でも作っていいよ」と言われるより、逃げる・キャッチする・当てるという具体的な選択肢があると、子どもは一歩を選びやすくなります。
この段階では、ゲームの細部まで決まっていなくてもかまいません。まず自分で一つ選べたことが、制作のスタートになります。
作り始めると「もっとこうしたい」が出てくる
選択肢から始めると、大人が作品を決めてしまうように感じるかもしれません。でも、最初の型はゴールではなく、考え始めるための足場です。
作り始める前に長く考え続けるより、まず一つを選んで画面を動かすことで、子どもが判断できる材料が増えます。目の前に動くものがあるからこそ、自分の好みとの違いにも気づけます。
たとえば逃げるゲームを選んだら、次は逃げるキャラクターと追いかけるキャラクターを選びます。少しずつ画面が動き、ゲームの形が見えてくると、「キャラクターを変えたい」「もう少しこうしたい」という気持ちが出てきます。
「作りたい」は、制作を始める前に完成しているとは限りません。選んで、動かして、見えてきたものに手を加える中でも生まれます。
だからアルスクールでは、最初のアイデアだけで子どもの創造性を判断しません。作る途中で何を選び、どこを変えたくなったかも、その子らしい創作の大切な部分として見ています。
創造性の種は、その子のペースで芽吹く
子どもが自分から作りたいものを話し始める時期は、一人ひとり違います。発達や成長の段階によっても、興味を言葉にするタイミング、作品として表すタイミングは変わります。
同じ学年の子が次々とアイデアを出していると、「うちの子はまだなのかな」と焦ることもあると思います。その気持ちは自然なものです。
それでも、今すぐ言葉にならないことだけで比べる必要はありません。好きなものに反応したり、選択肢から一つ選んだり、作り始めてから変更したくなったりすることも、創造性が動き始めた瞬間です。
最初の一回で大きな変化が見えなくても、興味を尋ね、選び、作ってみる経験は積み重なっていきます。芽が出る時期を大人の都合でそろえず、その子が動き出す瞬間を見逃さないことが大切です。
近くにいる大人が創造性の種を信じ、その子の成長のペースに合わせて待つことが大切です。
体験で、子どもの「やってみたい」の入口を見つけませんか
アルスクールの無料体験では、講師とのやりとりや制作の様子を通して、子どもが何に興味を示し、どんな入口なら作り始めやすいかを見ていただけます。
最初から作りたいものが決まっていなくても大丈夫です。好きなものや選びやすいテーマから始めたときの反応を、実際のレッスンで確かめてみてください。
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