第四次産業革命という言葉をご存じですか。
産業革命は、製造業などの産業が大きく変化することを表しますが、いま、インターネットを通じたモノづくりやアイディアの共有、AIやロボットなどの活用によって、産業や生活が大きく変わろうとしています。
しかし、どのように変化していくのかイメージできない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、第四次産業革命によって日本の生活がどのように変化し、どのような影響があるのかを紹介します。
この記事を読んでいただければ、もうすでに日常生活の変化を受け入れつつあることがわかっていただけるでしょう。
Contents
第四次産業革命とは
第四次産業革命とは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータなどを使うことによって起こる製造業のイノベーションのことです。
これまでの産業は、大量生産や大量消費を中心に考えられてきましたが、デジタル技術を通して、その図式が大きく変化しています。
いまは、あらゆるモノがインターネットを通してつながり、情報交換などが容易に行えるようになりました。
そこでは、ありとあらゆる情報をデータ化し、解析や分析を通して、新しい付加価値を生みだされるようになり、これまでの大多数向けの画一的なサービスではなく、個々のニーズに対応したサービスを提供できるようになります。
そのため消費者も、今までの財やサービスを低価格で、しかもよりニーズに合った形で好きなだけ購入できるようになります。
また、いまある資源の有効活用や、AIやロボットによる人間の代替労働も進めることができるので、企業としては、作業効率は飛躍的にアップさせ、よりよいサービスを、これまでよりも安く提供することが可能です。
この流れを受けて、製造業のデジタル化は一層進むと考えられています。
第四次産業革命にいたるまでの歴史的経緯
では、どのような経緯を経て、第四次産業革命が起こったのでしょうか。
ここでは、産業革命によってモノづくりが人間の手から機械へと移行し、大量生産や機械のオートメーション化していく様子を振り返ってみます。
第一次産業革命
第一次産業革命は、18世紀末にイギリスで起こりました。
植民地であるインドから輸入していた綿花を綿織物として輸出するために、いかに効率よく加工するかが求められていました。
そこで発明されたのが織機と紡績機です。
これにより、糸をつむぐなど、機織りのスピードが一気にアップし、さらに蒸気機関の改良によって綿織物が自動的に作られるようになりました。
第二次産業革命
第二次産業革命は、19世紀末から20世紀にかけて起こりました。
第一次産業革命で使われていた燃料は石炭でしたが、ここで初めて電力と石油が登場します。
電力の提供によって通信技術が生まれ、石油によって石炭よりも効率のいい製造技術がもたらされました。
よりパワーのあるエネルギーを使えるようになり、製鉄業や造船業などの重工業でのオートメーション化や大量生産が一気に進みました。
また、日本でもこの時期に産業革命が起こり、製造業の近代化が行われました。
第三次産業革命
第三次産業革命では、電子工学や情報技術によるイノベーションが起こります。
20世紀半ばには、ついにコンピューターが出てきます。
複雑な演算処理によって、単純作業であれば自動的に行えるようになりました。
つまり、ロボットが人間の代替として稼働する時代に突入するのです。
これにより生産技術のより進んだ自動化はもちろん、インターネットの技術も急速に広まります。
そしていま、インターネットは日々の生活になくてはならないものとなりました。
デジタル技術の発達や革新が進み、インターネットの中でさまざまなことが行えるようになったのです。
第四次産業革命が社会にもたらす変化
第四次産業革命は、一層の社会変化を促します。
インターネットはもちろんのこと、IoTやAIの普及によって、社会は大きく変わります。
これから、ITスキルを持った技術者の需要はどんどん高まっていきます。
加えて、ITスキルを利用しながら、自分で考え、自分から動いてアイディアを生み出していく人材が求められます。
集めたデータの分析を行い、どのようなニーズがあるのか、どういったものを提供していくべきかを、繰り返し検討していく力は、まさに21世紀を生き抜くためになくてはなりません。
小学校でも2020年度からプログラミング教育の義務化が始まりました。
それ以外にも、アクティブラーニング、STEM教育(Science・Technology・Engineering・Mathematics:科学・技術・工学・数学の総称)の充実が求められています。
さまざまな変化していく社会の中で生きていくため、こういった教育が重視されており、そのスキルの獲得が必須となってくるでしょう。
一方で、農業や水産業などの第一次産業は徐々に衰退していくでしょう。
これまでの産業革命によって、これらの比率はどんどん下がっていることや人手不足、後継者不足の問題もあり、今後もその傾向は続いていくと予想されます。
第四次産業革命が生活にもたらす変化
第四次産業革命によって、生活にも大きな変化がもたらされています。
ネットショッピングやネットバンクはもちろん、在宅ワークも可能になりました。
インターネットがあれば、簡単に世界とつながることができるため、家の外に出なくても生活できるようになりました。
家電も性能も上がっています。
お掃除ロボットに、仕事中でも子どもやペットを監視するシステム、スマートフォンでお湯を沸かす機能、音声操作できる照明器具など、見渡せばさまざまなIoTやAIが導入されています。
また、自働車にも自動運転の機能が備わっており、次世代型の自動車が広く普及していくでしょう。
日本における第四次産業革命への取り組み
日本では、第四次産業革命への取り組みとして、
- 日本再興戦略
- 科学技術イノベーション戦略
- ロボット新戦略
の3つを重点的に進めています。
内容としては、たとえば「第四次産業革命官民会議」の設置や、AIやロボットを使った製造システムの構築、世界一のロボット社会の実現などを目指しています。
特に、第四次産業革命における情報通信技術の発展は欠かせません。
日本でもIoTによるさまざまな課題解決を推進していくことになるでしょう。
第四次産業革命をうけてなにをすべきか
このように、もうすでに、AIやロボットは生活の中に広く浸透しています。
将来的には、医療や福祉などさまざまな業界で、デジタル技術を取り入れながら生きていく社会になっていくでしょう。
それにより、より使いやすく、より個々のニーズに合ったサービスが受けられるはずです。
しかし、それらを生み出し、利用していくのは人間です。
どのようなものがあれば、効率よく製造できるか、どのように利用すれば問題が解決できるかを、考えていかなくてはなりません。
つまり、自分で思考し、自分で生み出していく力が、これからの時代に求められます。
そして、そのスキルは年齢や学歴とは無関係です。
むしろ、子どもたちの方が自由な発想や個性的なアイディアを持っているのではないでしょうか。
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